政治・経済 大学受験
勉強の進め方は、まず教科書で基礎を固め、さらに資料集、用語集、参考書および新聞の一面で理解を徹底するとともに知識を拡充し、受験校の過去問に取り組むという流れが望ましいでしょう。
1. 教科書で出題範囲を押さえよう
試験には出題範囲があり、その範囲内のすべての分野を理解し、重要事項を記憶することが高得点を得るには不可欠です。通常、出題範囲は、教科書の目次で確認できます。ただし、どの教科書も記載事項は似ているものの、説明の仕方にはそれぞれに特徴があります。
教科書には学習内容の全範囲を限られたページ数の中で無駄なく記載されています。そのため、全範囲の基礎的事項を短時間に効率的に知るには教科書がベストです。基礎を固める前に一問一答のような細部から始めるのは止しましょう。まず全範囲で基礎を固めることが肝要ですから。
2. 暗記の前に理解することが大切
政治経済は、「政治」と「経済」、また「国内」と「国際」のように大きく分かれますが、それらは相互に関連していますし、それぞれの分野はさらに細かく分かれ、また相互に関連し合っています。まず理解できることが先決で、理解したうえで記憶すべきです。
要するに政治経済では、政治や経済の基本的な概念や理論を理解し、その上に立って、事実に基づいて多様な角度から探究し、理論と現実との相互関連を理解すること(原理原則の理解)が重要なのです。その上で記憶することに取り組まなければなりません。なお、理解できれば記憶も保持しやすい利点もあります。
よく言われる「社会科は暗記科目だ」という見方は、ただガムシャラに暗記する科目だという意味なら間違いです。
3. 教科書の理解だけではセンター試験の平均点ぐらいしか取れません
政治・経済についての知識が白紙の状態から、上記のような教科書をキチンと理解し記憶するやり方で勉強した場合、センター試験で6割前後の平均点は取れるはずです。
センター試験を受けたときに、基礎的な問題を取り損なってしまうと、高得点を取ることが相当難しくなります。つまり、基礎的な問題は確実にクリアして6割前後を確保し、難しい問題を正答して、それに得点を上乗せできれば9割レベルにも達するわけです。
4. 平均点を上回る高得点を得るには?
基礎的な問題を落とさないで、さらにレベルの高い問題に正答することが必要になりますから、それには相当の努力を覚悟しなければなりません。直近の時事問題など、使用している教科書に記載のない事項からの出題に正答することが求められます。
そこで、教科書より詳しいレベルの用語集や資料集や参考書、そして新聞の一面で対応する必要が出てくるのです。
教科書を精読する際には、手元に用語集、資料集、参考書を置いて、辞書やまとめとして活用することが必要ですが、政治・経済で高得点を得って得点源にするためには、用語集、資料集、参考書、新聞の一面をじっくり読み込み理解する必要があります。
特に経済分野では、複雑な現実をそのまま理解するのは困難なので、たとえば需要曲線や供給曲線といった経済法則については、現実には存在しない完全競争市場を前提条件にした場合の法則だという点に留意する必要があります。
5. 新聞の一面を活用しよう
時事問題に対応するには新聞の一面(特に見出し)は有効です。また、現代の日本や世界が直面している問題・課題を知ることができるので、受験する年の10月頃までの新聞の一面は読むべきです。特に私立大難関校では時事問題への対応が不可欠です。
6. 過去問演習は必ず済ませよう
受験する大学の過去問を必ず解き、出題傾向、出題形式に対応できるよう慣れておくべきです。
7. その他
できれば世界史の第一次世界大戦以降、日本史の大日本帝国憲法制定後から、特に第二次世界大戦後から現代までを通読すれば、政治・経済に関する事実についての理解を補強できます。