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地理

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地理 大学受験

はじめに

まず、大学受験の地理という科目の特質として、暗記すべき知識の量は日本史や世界史に比べて少ない一方、図表・グラフ問題や統計問題が出題され、単なる知識問題ではなく論理的思考力・類推力が問われるということが挙げられます。

そのため、地理は暗記のための負担が少なくて済むというメリットのある科目と言えます。特に、世界地理についての知識などがこれまでの経験や体験で培われている受験生は、さらに負担が減ることになります。

一方で、高得点を取るためにはやはり知識の拡充が必要であり、統計・データ問題ではその統計・データのどこに着眼すべきか、着眼した点をどう捉えて解答すべきかについて難しいところがあるため、必ずしも安定して高得点を取れない科目であるというデメリットもあります。

これらを踏まえて、地歴公民の選択科目を決めるとよいでしょう。ただ、一番興味のある科目を選ぶことが最もよい選択になることが多いのではないでしょうか。

1.文系受験生向け

(1)インプット:講義形式の教材

まず、内容を分かりやすく噛み砕いて記述してある講義形式の教材で数単元・章を区切りのよいところまで2回ほど読みましょう。

その際、資料集を手元に置いて参照し、視覚的イメージを取り入れると定着度が向上します。

a. 1回読むことに時間をかけ過ぎないようにしましょう。
b. 最初から覚えようとせず、数回程度ざっと読むのがポイントです。
c. 高校3年生になるとどうしても他科目に時間を割かなければならないことが多いため、時間に余裕のある1、2年生は、長期休みなどの間に2~3週間で大まかに系統地理編・地誌編を含めて1度通読すると良いでしょう。

(2) アウトプット:センター試験過去問演習

a. 分野別過去問

上記の(1)で読んだ単元・章の問題を演習して、知識の定着を図ります。すなわち、数単元ごとにインプットとアウトプットをセットにして進めます。

具体的には、センター試験の過去問を分野別に分けられた問題集を演習し、全範囲において、このインプットとアウトプットのセットを終了させます。アウトプットをしつつも、インプットで使用した教材を適宜読み返すことが重要です。

なお、時間がある場合は、bの年度別過去問演習に入る前に、ノート型の問題集を解き、知識チェックをするとよいでしょう。

b.年度別過去問

全範囲が収められているセンター試験の年度別過去問(本試験)を直近の年度から解いてください。

特に、年度別のセンター試験過去問の出来は、年度と点数を記録して下さい。1回目で80~85点以上の得点が出ない年度は、時間をあけて2回目の演習をし、90点以上の得点を取れるかどうかを確認して下さい。そこまでの点数を取ることができない年度は、再び間隔をおいて3回目の演習をしましょう。

直近10~15年分の演習を目安にして、先に述べた点数をおおよそ満たしてきたら、次の問題演習段階に入ります。

過去問演習後に解説を熟読するだけではなく、図表・グラフ・統計の読み取りのポイントや読み取りの手順も検討すると応用力も向上します。それに加えて、インプット用の教材の読み直しも重要で、得点の低い大問の分野を分析して、読み直すべき分野を発見して下さい。

近年、センター試験では比較地誌の出題があるものの、この形式の過去問の数が少ないため、比較地誌の問題だけをセンター試験対策用の問題集から選んで演習するのもよいでしょう。ただ量だけをこなすのでは点数が伸びず、未知の問題でも対処できる基礎力が養成されていることが前提です。

国公立大学2次試験で地理を受験する受験生は、不正解選択肢が何故不正解であるのかを検討することも重要です。演習している問題が論述形式で問われた場合を想定して下さい。

(3)センター試験過去問演習後の復習

a. 地図帳

学校の授業で出てきた都市名や山脈名などの地域名を地図帳でチェックしましょう。その際、黒色のマジックペンや太めのボールペンで丸囲み・書き込みを行って、チェックした事項がはっきり目立つようにしましょう。

このとき、ヨーロッパならこのページ、中国ならこのページというように特定の地域毎に書き込む地図帳のページを決めて、チェックした事項がバラバラにならないようにしましょう。

また、地図帳は基本的に学校から配布されたもので構いません。もし、手元に地図帳がなければ、新詳高等地図(帝国書院)を使用するとよいでしょう。

b. 白地図

地図帳にチェック項目を入れた後、それを白地図に地域に書き写す作業を行い、既出事項をまとめましょう。

ただし、これは頭をあまり使わない作業になるため、疲れたときなどに行うとよいでしょう。なお、時間がない受験生は、この作業を省略しても構いません。

c. まとめノート

模試や過去問演習の結果、間違えた事項で地図帳に書き込みにくいものはノートにまとめて、繰り返し見直せるようにしましょう。まとめ方は、自分にとってやりやすい形式で構いません。

例えば、ノートやルーズリーフを用意し、1ページの真ん中に縦線を引き、左側に間違えた事項が答えになるような問題を自分で作成し、右側に答えを書いて一問一答形式でまとめていきます。あるいは、付箋にポイントを書き、それをノートに貼っていくというやり方もよいでしょう。

(4)アウトプット:頻出問題・大学別過去問演習

a. 他の科目の出来がよく、地理にさらに時間を割くことのできる受験生は、受験する大学の過去問に入る前に、問題集を追加するとよいでしょう。追加する問題集は、受験する大学の過去問を1~2年分くらい参照した上で、論述問題があるか否か等、出題形式や問われている知識の細かさといった点から選定して下さい。

b. 次に、大学過去問演習の段階に進みます。やみくもに量をこなすのではなくて、センター試験過去問演習の場合と同様に、どのように回答に至ったのか、何が足りなかったのかを分析しながら進めることが重要です。資料集や地図帳などを調べることも学力アップに繋がります。

特に、論述問題では、自分の答案と解答例と比較して下さい。さらに、添削、議論、書き直しのサイクルを繰り返し、1つの問題に対する自らの答案の出来を向上させ、論理的な思考力を醸成していくとよいでしょう。

また、センター試験と似た内容が出題される場合もあるので、地理Aや地理Bの追試験の問題もやっておくと役に立つことがあります。

2.理系受験生向け

(1)文系受験生向けの(1)〜(3)の手順で勉強して下さい。

(2)注意点

a. センター試験過去問の出来が60点以下で停滞して点数が向上しないケースがあります。その場合、インプット不足が原因であることが、しばしば見受けられます。日頃から空いた時間を活用して、講義形式の教材を繰り返し読み込んで下さい。

また、年度別のセンター過去問演習で得点の低い大問を分析し、その得点率の低い単元を優先して、その教材を読み返してみるのが効率的です。

b. 理系受験生の場合、出題された都市がどの国の都市か分からない場合も多いので、代表的な国の首都や場所が分からない都市は必ず地図帳で位置も調べて下さい。

c. センター試験直前期も問題演習に偏りがちですが、高得点が取れていない場合は、インプット用の教材の読み直しが有効です。