高校生向け 生物の学習の進め方
生物は暗記だけでは限界があります。
数千個におよぶ用語と、各用語間の関係を自分のものにすることが必要です。
そのためには表面的な暗記ではなく、上記の関係性を理解して、きちんと記憶することが必要なのです。
学習の進め方 総評
(1)生物を学習する上でのポイント
① 暗記だけでは限界があります
生物を自分のものにするためには、数千個にも及ぶ用語と各用語間の関係を自分のものにすることが必要です。そのためには、表面的な「暗記」ではなく、上記の関係性を「理解」して、きちんと「記憶」することが必要なのです。このことがうまくいかない限り、安定した学力を身につけることはできません。
② 1冊の問題集を1年間で3回以上繰り返すことを目標にしてください
種類にもよりますが、多くの問題集は、およそ3~4ヶ月で全範囲を解くことができます。したがって、4月から翌年の1月までの10ヶ月間で1冊の問題集を3回繰り返すことができます。
なお、1~3回目をそれぞれ均等の時間配分にしてもよいですし、例えば、1回目を5ヶ月間、2回目を3ヶ月間、3回目を2ヶ月間かけるというように、時間配分を変えても構いません。
③ 一つの分野をしっかり理解してから次の分野に進んでください
生物ではさまざまな現象が扱われています。それらの現象が密接に関連しあって、「生物」という学問が形成されています。そのため、まず個々の現象について、その意義をよく理解し、さらに現象間の関係性について把握するよう心がけてください。これにより、関連用語を印象付けながら記憶することができるようになります。
(2)学習の進め方
以下に一例として、年間のスケジュールの例を示します。この例を参考にして、皆さんなりの工夫をしてみてください。
1回目
1回目は、理解することを重視して、記憶するのは基本的な用語に限って構いません。この場合、基本的な用語とは、さまざまな場面で繰り返し記述されている、構造や機能を示す用語のことです。
具体的には、当会講師の指示に従って、教科書や参考書を活用しながら自分独自のまとめノートを自分の手を動かして作成し、かつ基本レベルの問題集にも取り組んで、各分野の内容をしっかりと理解するようにしてください。
2回目
2回目は、分野ごとの関連を理解することが重要です。このことこそが、生物で高得点を取るためのポイントです。この時に、1回目に覚えた基本的な用語が役に立ちます。
具体的には、記憶すべき用語の範囲を拡張した上で、標準レベルの問題集にも取り組み、総合問題等で一つの用語がどのような分野と関連しているのかを確認してください。この時、発展レベルの問題集を併用しても構いません。
さらに、実験考察問題や論述問題にも取り組み、その対策を行うようにしてください。
3回目
3回目は、入試問題の過去問等も併用して解き、応用力を養うための演習を行ってください。また、あわせて記憶しきれていない用語の確認を行ってください。
入試問題の過去問は、一つの志望校について3~5年分ぐらいは解いてみるのが望ましいでしょう。志望校の入試問題における頻出分野を分析し、対策をとることと試験形式に慣れることがポイントになります。
センター試験を受験する場合は、12月後半から1月前半はセンター試験に照準を合わせて過去問に取り組むべきです。また、国公立大学の2次試験対策は、センター試験が終わってから始めるのでは時間が足りなくなることが多いので、11月中からある程度は手をつけておくことが望ましいです。