世界史 日常学習
1.世界史は暗記だと単純に捉えてはいけません
まず理解することが前提で、理解して暗記する(暗記は大切ですが、暗記の前に理解が必要で、暗記は理解の後にすべきことです)。
2.理解の仕方
歴史は単なる過去ではなく、現在、未来へとつながるものです。それゆえ世界史とは「人間がどこから来て、今どこにいて、これからどこへ行くのか」、要するに、社会を含め人間に関し、来し方行く末と現状を知り、より住みやすい社会を作るために考察する科目でしょう。次の順序で学んでください。
- まず、通史学習によって大まかに全体的な流れを掴んでください。歴史の流れが頭に入っていないと知識を整理できません。
- 流れを掴んだ上で、部分を細かく調べてください。
- その部分が全体の流れの中でどのように位置づけられるか、意味づけられるか、を考察する、という順序で理解を進める。
よく一問一答形式の問題集などで部分の記憶から始める方がいますが、お勧めできません。
3.教科書を活用しよう
世界史勉強のもっとも効率よい短時間でやり方は、まず教科書を読むこと、つまり通史の通読をすることです。教科書は、専門家が手短に初心者にも分かるように書いたものなので、歴史の流れと基礎・基本を短時間で掴めるのです。
ただし、教科書は内容を凝縮して述べてあるので、1回で理解し記憶しようとしないで、少なくとも3度読むことが必要です。
1回目は、暗記しようとしないで、大まかな時代の特徴や変化を理解するよう努めてください。なお、上記の2の①に当たります。
2回目は、1回目の理解を確認しつつ、さらに細かく精読し理解に努め、ついでに記憶もしよう。その際、図説や詳覧などの資料集や用語集も活用する必要があります。
3回目は、部分と全体、因果関係などの繋がり、テーマなどに留意しつつ、主に空間軸(ヨコ)にかかわる各時代の特色の総合的な考察と、主に時間軸(タテ)にかかわる時代の変遷の総合的な考察を重視し記憶することで仕上げです。
なお、教科書は違う出版社の2冊を読むことを薦めます。共通に載っていることは重要事項だとわかるし、歴史的出来事の意味づけなどは、教科書によって分かりやすさや充実度が異なるので、2冊を読み比べれば役に立ちます。たとえば、定評がある簡潔な山川出版「詳説世界史B」と、大判で説明が丁寧で詳しく、分かりやすい実教出版「世界史B」の併用などが挙げられます。