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藤本 正厚 講師 <生物科>

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先日、新聞社に勤めている友人から立花隆著の「小林・益川理論の証明」という本を薦められた。ノーベル賞受賞の小林・益川理論とその検証のために作られた巨大加速器を取材し続け、科学朝日に連載していた立花隆氏が科学朝日の廃刊とともに中断していた記事を完成させてタイムリーな出版となったわけであるが、氏はその本の中で日本の科学ジャーナリズムのレベルの低さを怒っておられるそうな。いわく、マスコミは益川先生が英語が苦手であるとの話題、メダルを模したチョコレートを買ったことなどは盛んに書きたてたが、肝心の理論については全く解説していない、と。

そういえば、サイモン・シンやドナル・オシアのような仕事をしている日本人はいるのだろうか。いたにしても、もてはやされるのを聞いたことがない。また、高校の理科の教科書に先人たちの業績を詳しく解説してあるのを見たこともない。人づてに聞いたところではヨーロッパの科学教育では科学史、先人たちが何故そのような研究をし、どのように理論を構築していったかを教えるのに多くの時間を割く、とのことである。分野は違うが、私が趣味としているあるスポーツの英国人のコーチが、今使われている技術がどのように発達してきたか、アイディアがどのように生まれたかといった歴史、それに関わった名手たちの話を年月日をあげて語るのを聞いたことがある。科学に限らず、基礎理論にたいする日欧の意識の差かもしれない。

憶えることが勉強だと思ってしまう受験生が多く、そのことには教える我々にも責任の一端があるだろうが、ちょっと突っ込んで、もう少し深くわかろうとすればそこには意外なくらいスッキリと分かり易い世界が見えてくるかもしれない。

私もこの本にチャレンジしてみようと思っている。