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石田 妙子 講師 <英語科>

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受験の全日程が終了した2日後、まだ合否の判定が出る前から私は教習所に通い始め、最短に近い早さで免許を取った。運転歴は長い。しかし、悲しいことに私は無類の方向音痴である。

乗り慣れない電車に飛び乗ると、決まって予想とは反する方向に電車は動き出す。だが、その方向が私が行きたいと考えていた方向であったりする。そのため、慌てて電車に乗ったときはいつも果たして自分が正しい電車に乗ったのか不安が襲うのである。

そんな東西南北の感覚が欠落している私は、車を運転しても路線バスのように決まった道しか走れなかった。夫が方向感覚だけを頼りに迷わず目的地に着くとき、それは忘れていた夫に対する尊敬の念を思い出す瞬間である。

男に方向音痴が少ないわけは、狩猟時代の昔に遡るそうである。遠くへ狩りに出かけ、再び家に戻ってくる必要があった男には必然と方向感覚が備わったと聞いたときは思わず膝を打ったものだった。

こんな私のカーライフに変革が起きた。カーナビの出現である。おかげで行動半径はぐんと広がった。「700m先を左折」の700mの感覚が分からないために間違えてしまったことがあるものの、画面の見方に熟達した今、怖いものはない。

新しい道路の完成に伴いカーナビもアップデートして、いざ高速へ。一瞬目を疑う。画面が消えた。路肩に車を停め、最初から操作をやり直す。その後も何度も画面が飛んだが、どうにか事なきを得て、目的地に辿り着いた。

「機械自体は考えることができない。人間の正しい指示なしには作動しない」半ばパニック状態の中、英語の長文読解の一節が頭をよぎる。勉強したお陰で学んだ教訓だが、その後も活かされることなくカーナビの指示に頼りっぱなしである。私のカーナビ信仰は全くゆるがない。おかげで私の運転範囲はますます広がり続ける。